ウヨキョクセツ(仮)

躁鬱病改め、統合失調症らしい。闇をぶちまけたり、ぶちまけなかったり。

不安定

やめればいいものを、暇潰しという名目でチャットのアプリに手を伸ばす。性欲の殻の内側には何もない言葉が、風に吹かれて転がり来る。その中で、ゆっくりと、だからこそ目に付きやすい、密度の高い闇が、紛れて来ることがある。俺の性格からそいつを見過ごすことは満足できないので、なるべく軽快に話しかけ、中身を聞き出そうとする。中には、メッキのように内外の差が激しい奴もいて、肩透かしを食らうこともある。だが、延長線上に共依存の関係がチラつくほど、真に迫った奴もいる。

俺は愛を受け入れることができないのもあってか、愛を放射線状に振り撒きたい欲がある。受け入れるのが愛ならば、俺と他者の壁は透明に近い。怒りや、悲哀など、直に受け入れているようなもので、相談役としては一番不向きな人間だろう。

昨日は、人の悲しみに触れることが多かった。もちろん、自らの奥底から絡まるように這い出してきたものもあるのだが、とにかく、気分が晴れなかった。思考に雲がかかり、過去も未来も覆い隠された。今の一瞬は光を放つこともせず、ただ秒針を盾に、息を潜めた。携帯からインターネットで似たような絶望した人間を探し、それにアドバイスする回答者の意見を見ても、ポジティブな言葉が癪に障るだけだった。携帯を壁に叩きつけると、怒りは収まった。タバコが吸いたくなり、居間に行くと、父親が帰ってきていた。タバコを吸い、眠剤を飲んでいると、父親が他愛もない話で笑いながら話しかけてきて、なぜか腹が立った。自室に戻る際に、今度はペットボトルを扉に思い切り叩き付けた。母親の声が聞こえたが、どうでも良かった。今は早く、眠りに就きたかった。

部屋で首を吊れる場所を目で探し、諦め、眠剤が効くのを待った。様々な死の場面を夢想しながら、俺は眠りに落ちた。