人間感情惨憺調
イラついている。
俺は今喧噪にまみれている、ただそれだけなのに。
声、声、音、音、音。
人の声が、音が、神経を逆撫でる。
温厚だったはずだが、病気のせいなのか。
それとも、病気であることを自覚したことによる一種の自己催眠か。
大声を出しそうになる。物を叩きつけたくなる。
他人の嫌なところばかりが目に付く。あいつは自分語りばかりする、あいつの声質は腹立たしい。
思えば、今までの俺には怒りが無かった。
消化するまでもないものであり、受け流すことができた。
あの時はひょっとしたら鬱状態だったのだろうか。
病気から回復しつつある今、やはり、色々とやり直さなければならない。
今はただ、帰って眠ればいい。